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都道府県別に50音順 (法人名は除く病医院名)

東京都 板橋区

新板橋クリニック

副院長 冲永功太

 TEL:03-5248-5715    詳細はこちら

広島県 広島市中区

広島市立舟入病院

病院長 市川徹

 TEL:082-232-6195    詳細はこちら

福岡県 福岡市中央区

植木外科クリニック

院長 植木敏幸


 TEL:092-534-5200    詳細はこちら




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新「名医」の最新治療2011
 

進化の途中である人間の鼠径部

46億年前に地球が誕生し、22億年前から生物が、そして700万年前に人間とチンパンジーが分かれたとされています。そのため、直立2足歩行の人間の鼠径部はまだ進化の途中であり、弱いのです。鼠径ヘルニアは、その部分が破裂することです。3500年前のエジプトの医師は、脱腸帯で鼠径部の腫張を抑えていたといわれています。

加齢自体と加齢とともにかかるさまざまな病気は、鼠径部を脆弱にし、日々掛かる腹圧はそれに追い討ちを掛けます。その結果、ある日突然鼠径部が腫張します。痛みを感じることもあれば、知らず知らずにその腫張に気付くこともありますが、腫張があっても日常生活を送れないというわけではありません。

鼠径部腫張の中身は腸であることが多く、放置しておけば腸がはまり込んで、最悪のケースでは腸壊死になることもあります。しかし一方で、最近の欧米からの論文では1000人以上に対して追跡調査が行われ、そのようになる確率は1%もないとも報告されています。

進化した治療で負担を大きく軽減

まず、鼠径ヘルニアであることを知ることが大切です。いつも出たり、戻ったりしている状態が、急に戻らなくなったとき、また通常と違った痛みを感じたり、押しても痛くなかったのが、痛くなってきたときには速やかに病院を受診することが重要です。これらを知っていれば、そう慌てて治療をする必要はありません。しかし鼠径ヘルニアは自然に治ることはほとんどなく、少しずつ大きくなってしまいます。そのため、すっきりしたいのであれば手術をおすすめします。

従来の手術では、ヘルニアの部分を自分の組織を寄せて覆うため、その部分に必要以上の緊張がかかります。そのため、術後の痛みが強く、安静期間も長くなり、再発もありました。しかし、現在では糸で編んだメッシュを敷き詰めるため、必要以上の緊張もかからず、痛みも随分軽減されました。その結果、入院の必要もなくなり、安静期間も短くなって、仕事への復帰も3〜4日で可能となっています。メッシュ自体も軽量化や最大腹圧に耐えられる必要最小限の素材へと進化しています。

重要な役割を担う鼠径部に求められる治療

鼠径部の脂肪や筋膜は、協調して腹部を支える大事な緩衝作用を担っています。また、鼠径部にある精管は周囲の組織と協調して睾丸でできた精子をスムーズに尿道まで運びます。罹患率第2位になろうとしている前立腺がんの手術は、鼠径部のどの位置にメッシュを敷かれたかで影響を受けます。進歩した治療を遂行するには十分な鼠径部についての知識が問われ、それに基づいたメッシュの使用法が重要となります。

「腹圧がかかるのが鼠径ヘルニアの原因である」、これは確かではありますが、鼠径部の小さな部分に掛かる圧は同じでも張力は小さいのです。メッシュを敷く位置は今後も論議されるでしょうが、最も侵襲の少ない位置は内腹斜筋と外腹斜筋腱膜の間の層であると考えています。腹膜前腔とは机上では聞こえがいいですが、実際的にはあまり触れてはいけない領域のようにも思われ、そこにメッシュを敷かなくても十分に鼠径部の脆弱性を補強できる技術があることは現時点でも認められています。

一人ひとりの状況に応じた治療が重要

鼠径ヘルニアの状況は個人差があって一様ではありません。一人ひとりの状況をしっかり把握し、丁寧にその人に合った手術を行うことが重要です。しかし鼠径ヘルニアであることを実感したそのときからヘルニア手術が始まるといってもおかしくはありません。短時間で簡単に終わるというのは、鼠径ヘルニアの手術に関してもあてはまらないといえるでしょう。

【特別寄稿】

渡部 和巨(わたなべ かずなお)

湘南鎌倉総合病院副院長
茅ヶ崎徳洲会総合病院
院長代行兼務

旭川医科大学卒業。
日本ヘルニア研究会世話人。
日本内視鏡学会評議員。
日本短期滞在外科手術研究会世話人


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