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都道府県別に50音順 (法人名は除く病医院名)

静岡県 浜松市北区

栗橋眼科

院長 栗橋克昭

 TEL:053-436-9111    詳細はこちら




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新「名医」の最新治療2011
 

栗橋眼科は浜松に開院して30年、涙器・涙道の手術で実績を積んでいる。涙嚢鼻腔吻合術は1983年9月から2010年8月で2120例を実施している。手術の迅速化と低侵襲化に努める栗橋克昭院長に話を聞いた。

涙道や眼瞼下垂症の日帰り手術を実施

――栗橋眼科は、今年で開院30年を迎えました。

栗橋 1980年の開院以来、涙道手術や眼瞼下垂症手術の、低侵襲な日帰り手術を実施しています。緊急時は浜松医大麻酔科の佐藤重仁教授により全身麻酔を行い、乳幼児を含むすべての症例に対応しています。

――涙道とは、どんなものですか。

栗橋 涙道は、目と鼻を結ぶ通り道を指します。涙は涙腺から分泌され、目尻から目に入ります。そして、眼球表面を潤しながら目頭にある涙小管という管に集められ、さらに涙嚢・鼻涙管という管を通って鼻に抜けます。涙道が詰まると涙があふれてきます。強い涙目で目が曇ったり、目やにが出たり、目と鼻の間がはれ上がったりします。細菌に感染したことによるのですが、最悪の場合はごくまれですが失明につながることがあります。

――そうした疾患の原因は?

栗橋 先天性のものやスキー事故による外傷、ウイルスや細菌の感染、ごくまれに悪性腫瘍があります。涙嚢・鼻涙管の壁は海綿体でできていて、その壁は副交感神経緊張で厚くなり、交感神経緊張で薄くなります。腱膜性眼瞼下垂症で交感神経過緊張になると、涙嚢・鼻涙管の海綿体は動かなくなると考えられます。涙道疾患には腱膜性眼瞼下垂症だけでなくドライアイの合併が多く、ドライアイの治療もよく行っています。ドライアイ治療のためには、私が開発した糸付き涙点プラグがあります。このプラグを使用することによりプラグ埋没事故を防止できます。

涙道疾患に対する3つの治療法

――どんな治療法がありますか。

栗橋 治療法は、(1)目詰まりした涙道に金属の棒(ブジー)を通して涙道を開かせる、(2)涙道にヌンチャク型シリコンチューブ(NST)などのシリコンゴム製のチューブを留め置く、(3)涙道の代わりになるバイパスを作る、の3つに大きく分かれます。ほとんどの患者はこれらの組み合わせで治療できます。

――涙道にブジーを通す手術とは?

栗橋 生まれつき鼻涙管が目詰まりしている赤ちゃんによく使われる方法です。私が開発した湾曲ブジーを使用しています。

――NSTとは、どんな手術ですか。

栗橋 同じく私が開発したヌンチャク型シリコンチューブなどのチューブを目頭から挿入し、涙がチューブと涙道の壁との間を通るようにする手術です。チューブは普通、数カ月留め置き、ときどき涙道洗浄をし、最終的には抜き去ります。

――バイパスをつくる手術については、どうですか。

栗橋 涙嚢鼻腔吻合術(DCR)と呼ばれる手術で、目頭と鼻の間を切開して、涙が鼻に抜ける道(バイパス)を手術でつくります。私は骨弁式骨窓形成法やDCR下鼻道法により、手術の短縮化と低侵襲化に努めています。また、涙小管や涙嚢・鼻涙管が瘢痕になったりしている難症例に対しては、涙嚢鼻腔吻合術だけでなく、目頭から鼻に抜けるトンネルをつくり、同時に涙丘移動を行います。全涙道再建術といいます。

――手術時間はどれくらいかかりますか。

栗橋 涙嚢鼻腔吻合術の手術時間は10〜20分です。涙小管形成、シリコンチューブ留置、涙丘移動を同時に行うと、さらに時間がかかります。涙嚢炎で角膜潰瘍や眼内炎を併発しないうちに早めに手術を受けることをおすすめします。涙嚢炎は白内障の手術を受ける前に治しておくことが大事です。

――手術例数は?

栗橋 涙嚢鼻腔吻合術は、1983年9月から2010年8月で2120例を実施しており、国内外最大級の涙器・涙道治療施設だと思っています。白内障手術は膨大な症例数を誇る原田隆文先生(焼津こがわ眼科院長)が担当し、95年9月から10年8月で1920例を行っています。

眼瞼下垂症手術は6年間で3079例

――眼瞼下垂症の手術も行っていますね。

栗橋 眼瞼下垂症手術は04年9月から10年8月で3079例です。腱膜性眼瞼下垂症に対して行っていますが、頭痛や肩こり、冷え性、不眠、うつ、喘息、流涙などへの効果も期待しています。瞼(まぶた)のアキレス腱(挙筋腱膜)が瞼の踵(瞼板(けんばん))から外れると、瞼が下がってこなくてもさまざまな症状が起こってきます。そして、わずか1〜3gの重りを瞼につけて負荷すると十分に開瞼できなくなります。このことは信州大学医学部形成再建外科学講座の松尾清教授が発見しています。眼瞼下垂症手術(松尾法)の術直後は6・4〜16gのクリップを睫毛に取り付けて負荷しても開瞼できるようになります(睫毛クリップ負荷テスト)。挙筋腱膜が瞼板から外れると、ミュラー筋機械受容器から強い信号が出て、それが脳の中枢である青斑核などを狂わせ、交感神経過緊張、前額のしわ、肩こり、腰痛、うつ、頭痛、冷え性、喘息、ドライアイなどの原因につながるとされています。松尾教授の眼瞼下垂症手術の効用は、セロテープで眉毛を吊り上げたり、ヘアバンドなどで前額を引き上げたりすることで、ある程度体感できます。無理して開瞼しなくてもよくなり、青斑核などを狂わすほど信号が瞼から強く出なくなるからです。眼瞼下垂症手術はいろいろ術式がありますが、松尾教授の「ミュラー筋を温存する方法」を実施しています。

【取材/秋山 晴康】

【取材協力】

栗橋 克昭(くりはし かつあき)

栗橋眼科 院長

1971年、札幌医科大学卒業後、
京大耳鼻科・眼科に入局。
その後、神戸市民中央病院、島田市民病院を経て、
80年に栗橋眼科を開院。
日本眼科手術学会理事(2002〜10年)、
東海大学非常勤講師(06年〜)


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