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いい病院2011
2011年02月25日 掲載

看護師中心に患者指導のDVD作製

市立伊丹病院では、変形性関節症や関節リウマチ、骨壊死などを対象とした人工関節置換術を行っている。常に心がけているのが、「患者中心」の医療の提供だ。たとえば、患者の中には、手術そのものや術後の痛みを怖がって、人工関節置換術になかなか踏み切れないでいる人が少なくない。このため、実寸大の股関節、膝関節の模型と実物の人工股関節、人工膝関節、3DCT撮影画像などを使いながら手術内容を説明し、患者の不安解消に努めている。

また、術後の不安を払拭するため看護師中心にDVDを作製。「不安いっぱいの患者さんのために、こういうふうにしてリハビリをやっていったらいいということを指導するDVDです。患者さんの立場に立って、人工関節置換の医療がどういうものなのかを教えてあげられればと思います」と整形外科主任部長の中井毅医師は話す。

DVDは3編から成り、第1編は体位変換の方法、靴の履き方など、入院生活における指導が中心だ。第2編は、退院してからの指導で、お風呂の入り方、布団の上げ下ろしなどで構成。第3編は、車の乗り方や自転車の乗り方といった内容になっている。

MIS(最小侵襲)で行う人工関節置換術

同院の人工関節置換術は、09年1〜12月は199件。10年1〜12月は膝関節手術が191件、股関節手術が123件の計314件となっている。

人工関節置換術により、激痛や変形のために動かせなかった関節が動かせるようになり、患部以外の関節への負担の軽減が可能だ。活動範囲が広がることで下半身の筋力も向上し、歩行時のつらさや歩行距離の改善が期待できる。

手術は、独自に改良したオリジナル器具などを活用。筋肉や関節包(関節を保護するための柔軟性のある袋状の組織)を温存する、MIS(最小侵襲)手術を心がけている。

股関節の人工関節置換術の場合は、仰臥位で前側方からアプローチする。仰臥位の利点は、骨盤が安定し、より正確な設置ができることだ。手術をしながら、左右の足の長さを比べて調整することも可能になる。前側方からのアプローチは、中臀筋、大腿筋膜張筋、梨状筋などの筋肉や後方の関節包を温存できる。股関節を深く曲げる動作が多い日本の生活様式に適した方法であるとともに、脱臼予防を考慮した術式である。

人工膝関節置換術では、膝を伸ばす筋肉である大腿四頭筋をできるだけ切らない方法を選択。大腿骨や脛骨の骨棘や関節包の処理を行い、十分な可動域が出るように心がけている。患者の負担を軽減するために出血を抑える対策を行い、同種血輸血は行っていない。また、術後の疼痛対策にも十分配慮している。「股関節、膝関節ともに小さい皮膚切開で正確に人工関節が設置できるように器具を改良し、さらに術前のシミュレーションにより精度の高い手術を目指しています」と中井医師。

チーム医療を大切にし集団リハビリを行う

市立伊丹病院では、患者一人ひとりにマンツーマンでリハビリを行うだけでなく、同じ手術を受けた患者による集団リハビリも実施している。

「チーム医療を大切にしています。なかでも、集団リハは患者さん同士で情報交換もできますし、効果的です。医師と理学療法士、看護師、そして患者さんが一体となるように常に心がけています」。人工関節置換術の場合、術前・術後だけでなく、患者との一生の付き合いになることも少なくないが、そうした心の交流が市立伊丹病院の人工関節置換術の知名度をより高めているといえそうだ。

【取材/秋山 晴康】

中井 毅(なかい つよし)

市立伊丹病院
整形外科主任部長

1988年、信州大学医学部卒業。
日本整形外科学会認定整形外科専門医。医学博士。
人工関節を専門に取り組んで約19年。
2010年1〜12月の人工関節置換術は、
膝関節が191件、股関節が123件。
患者に対しては丁寧な治療説明を信条とする


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