▽以下の広告をクリックすると各病医院の
紹介ページをご覧頂けます。

都道府県別に50音順 (法人名は除く病医院名)

栃木県 下野市

自治医科大学附属病院

教授 三澤吉雄

 TEL:0285-44-2111    詳細はこちら




<<一つ新しい記事へ |  一つ古い記事へ>>

いい病院2011
2011年02月25日 掲載

突然死を起こす大動脈瘤とは

 人口の高齢化が進み、動脈硬化を原因とした心臓病や血管病が増加の一途をたどっています。胸部や腹部の血管が膨らむ”大動脈瘤”の多くは、動脈硬化によって血管壁が脆くなっていきます。そうして、大動脈瘤の拡大が進行しても痛みなどの自覚症状がないまま、やがては血圧に耐えきれず破裂し大出血となる危険な病気です。

大動脈瘤は加齢とともに誰でもそのリスクを抱えているといえるでしょう。それにもかかわらず、一般診療では発見されることが少ないのです。そのため、60歳を超えたらより積極的に健診を受けるようすすめられています。

ステントグラフト治療とは

動脈瘤の治療は主として破裂の予防を目的としており、これまでは外科手術が行われてきました。しかし、高齢者や重篤な病気のある患者さんにとっては負担が大きいため手術ができないこともあります。他方、日本では約4年前に”ステントグラフト内挿術”という新技術が登場し、別名”切らない手術”といわれて急速に普及しつつあります。

動脈瘤を内側から支えて破裂を防ぐ

ステントグラフトは人工血管にバネ状の金属を付けたもので、これをカテーテルという細い管の尖端に込めておき、動脈瘤の位置で押し出します。人工血管はバネと患者さんの血圧によって動脈の内側に張り付けられるので、外科手術によって縫い付ける必要がありません。これで動脈瘤には高い血圧がかからず破裂を防ぐことができるのです。

脚の付け根からカテーテルを挿入

ステントグラフト治療はカテーテルを脚の付け根にある動脈から挿入するだけですので、外科手術のように胸部や腹部を大きく切り開くことはありません。レントゲン撮影をしながら人工血管を動脈瘤の位置に運んで固定したのち、カテーテルを動脈から抜いて体外に回収し、挿入した部位の動脈と皮膚を縫合すると終了です。

入院期間が短く日常生活に早期復帰

多くの場合、治療中は全身麻酔が必要となりますが、治療時間は3 時間程度ですみ、輸血もほとんど必要ありません。そのため体への負担が軽く、治療当日あるいは翌日には食事や歩行が可能となり、入院期間も外科手術の半分以下ですみます。 退院後は特別な薬を飲む必要もなく、日常生活はほとんど制限されません。ただし、治療後は経過確認のために年1回の定期検査が必要です。

術者に求められる高度な技術

腹部大動脈用ステントグラフトは4年前に保険適用となり、これまで全国で1万例以上が、また胸部大動脈用については3年前に開始されて約2500例の治療実績があります。先端技術を安全で確実に行うためには高度な知識と技術が必要で、実施する医師には研修が義務づけられており、実施病院には必要な設備と管理体制が整備されていることが実施基準となっています。

安全で質の高い治療を目指して

日本ステントグラフト実施基準管理委員会は、安全で質の高い治療の普及を目指し、実施基準による審査を行っております。腹部大動脈瘤については全国で107病院が、また胸部大動脈瘤については36病院が委員会ホームページで公開されております(2011年1月現在)。また、治療後は全症例について追跡調査を行っており、治療成績を集計してホームページに掲載することで各実施医師にフィードバックするとともに、その一部は一般公開されています。患者さんが病院を賢く受診されるためには、全国的な治療成績を知っておくとともに、ステントグラフト治療を実施できる病院を確認しておくことが大切です。 日本ステントグラフト実施基準管理委員会ホームページでは、実施施設一覧と治療成績が公開されています。http://stentgraft.jp

【特別寄稿】

石丸 新(いしまる・しん)

戸田中央総合病院副院長・血管内治療センター長

1976年、東京医科大学卒業。
79年、スウェーデン留学。
95年、東京医科大学教授、2006年より現職。
日本脈管学会理事、日本血管内治療学会理事。
日本ステントグラフト実施基準管理委員会委員長


<<一つ新しい記事へ |  一つ古い記事へ>>



治療と検査の最新医療情報のトップページへ戻る>>


弊社記事掲載の書籍


病院ナビ
インプラント@病院ナビ