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漢方2011
2011年04月05日 掲載

煎じ薬の漢方薬による治療のみを専門に行っているという、 大阪の漢方クリニックを訪ねました。 煎じ薬の治療にはどのような特徴があるのでしょうか。 お話をうかがったのは、漢方緑川クリニックの緑川沢樹院長、 先生は、内科医としての臨床経験もあり、上海中医薬大学に留学の後、 同院を開院しました。

煎じ薬は力強く繊細に体質の土台へ働きかける

漢方治療は、慢性的な疾患の治療が得意だといわれますが、それはなぜでしょうか。 緑川先生ははじめにその理由を説明してくださいました。

「漢方が西洋医療と大きく違うのは、診断病名に基づいて治療するのではなく、『体質』を診て進める医療だということです。 たとえば、表面的に不調があっても、体の根本が元気なら、対症療法的な治療で症状を抑えるだけでも、本人の治癒力で自然に治ることが期待できます。 ところが、慢性的な病気で体質の土台が弱って、バランスが崩れていたりすると、治癒力だけでは治ることが難しくなります。そこで漢方では、その人の体質を診て、体の根本を丈夫でバランスのとれた体質に改善していく治療を行います」

西洋薬やエキス漢方製剤と煎じ薬は具体的にはどう違うのでしょう。

「それぞれは対立するものではなく得意分野が違うと考えています。 つらい症状をしっかり抑える対症療法や抗生剤など、はっきりした優位性のある分野は西洋薬が第一選択です。 エキス漢方は手間いらずで携帯性が良いのが一番。 体質の問題点がそれほど深刻でない場合にはピッタリです。 煎じ薬ではダイレクトに煎じ出す薬効の強さが印象的ですが、 むしろ生薬の種類と用量を自在に調整して、 その時々の体調に最適のオリジナル処方を作れる自由度こそが本当の力強さを引き出すカギとなります」

西洋医療とも協力 たとえば不妊症治療ではこんなメリットが

漢方と西洋医療、両者を生かした治療を行うこともできますか。

「たとえば不妊治療をされている患者さんの中には、 一般の婦人科での治療と漢方治療を同時に受けられる方もいらっしゃいます。 併用する良さを実感したのは、漢方治療を開始後、 婦人科の検査データが改善したり、排卵誘発剤を使用してもうまくいかなかった採卵が、 採卵個数・質ともに良くなって無事妊娠できたケースなどです」

アトピー体質を根元からしっかり掘り起こせる煎じ薬

アトピー性皮膚炎の患者さんもたくさんいらっしゃると思いますが、 どんな人に本格的な煎じ薬が必要なのでしょうか。

「病名にかかわらず、自力では体質が立ち上がってこないくらい問題の根っこが深い方は、煎じ薬の治療が必要です。 アトピーの特効薬の漢方薬はありません。 患者様お一人おひとりの体質に向き合い、あの手この手で少しずつ問題点を崩していく、実は地道な治療方法です。 症状を和らげ笑顔を拝見することが日々の目標です」

最終的な治療目標は漢方薬なしでも体の要素が支え合うこと

「貴重な薬を使用したり、秘伝の特殊な調合をすることだけが治療効果を高めるわけではないんですよ」と緑川先生。 漢方治療はチームスポーツのようなものだといいます。

「良質な生薬というスーパースターがそろってもチームワークがなければ勝てません。 個性と実力を生かすには互いが助け合い支えあう関係が必要です」

なるほど、生薬配合の加減は監督の采配のようなものということですか。

「はい。配合も体質も結局バランスなんです。中医学では体質を役割別に分類し、それが連携できていると健康とみなします。 体質の各要素が、はじめは足を引っぱり合っていたのを、相互に補強しあえる状態まで立て直すためには、 煎じ薬での微妙なかじ取りが不可欠です。 これが実現すれば、漢方を卒業しても良好な体調を自力で維持できます。 私にとって煎じ薬の処方箋は、毎回書き下ろしのアートみたいなものなんです」

【取材/川島 晶子】

緑川 沢樹(みどりかわ さわき)

医療法人 中医会 漢方緑川クリニック 院長

1998年、奈良県立医科大学卒業。
国立西奈良病院(現・奈良医療センター)内科・東洋医学外来、
上海中医薬大学(中国)留学を経て現職。


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