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Q&Aでわかるいい歯医者2012
2011年07月15日 掲載

インプラントをはじめとする先端治療を学ぶことができるニューヨーク大学(NYU)CDE(Continuing Dental Education)プログラムは、技術・学術の継承の場であると同時に、日本の歯科医療に新しいネットワークを創造する出会いと交流の場でもある。インプラント治療が普及した今、新たに見えてきた可能性や課題とは? 様々な年齢層、専門分野の卒業生が集い、座談会を開催--「現代に求められるインプラント治療」をテーマに語っていただいた。

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歯科治療におけるインプラント治療の位置

田中  本日、先生方にお集まりいただいたのは、ニューヨーク大学で最先端の治療を自分の目で見てきた経験を踏まえ、インプラント治療に対して自由にご発言いただくためです。最初に、歯科治療全体の中でのインプラント治療の位置づけについてご意見をいただきたいと思います。

 一口に歯科治療と言っても、国が違えば考え方も違います。訴訟の多いアメリカでは、どうやって自分自身を守るかを考慮して治療計画を立てます。一方、健康保険制度のある日本には「歯を残す」という治療方針があります。ニューヨーク大学で学んだことを、日本の価値観に適応させて独自の治療を進める先生方が多いのではないでしょうか。どの様な考え方が聞けるか、私も楽しみですね。

山口  日本では歯科医師であればインプラント治療を行っても構わないわけですが、アメリカの場合、インプラント治療を行えるのは歯周病治療を行う歯科医師、そして口腔外科医に限られています。こういった違いもありますね。インプラント治療の位置ということですが、手術自体が完璧にできたとしても、全体の機能や審美性も含めた総合的な判断を欠いては成立しないのがインプラント治療だと思います。補綴や歯内療法にも精通しているべきでしょう。

鈴木  インプラント治療は「歯科治療の王様」と言っても良いんじゃないかと思います。インプラント治療では歯周病の知識や、外科的な知識など、様々な知識が求められます。本来であれば、一般的な、普通の治療が満足に出来るようになってから、初めて取り組むのがインプラント治療です。開業して2〜3年の歯科医師が自分ひとりで色々な治療に取り組むのは不可能に近いでしょう。ここにいる皆さんのように、ニューヨーク大学などで専門的に勉強することがどうしても必要になります。インプラント治療にはトータルな技量が求められます。

川口  インプラント治療を始めて25年以上になりますが、インプラント治療ほど、すべての歯科領域に通じていないと成功は難しいと感じさせられたものは他にありません。内科も含め、歯科各科を高いレベルで学んでおく必要があり、日々忙しくなるばかりですが、そのお陰で素晴らしい、充実した歯科医師人生が送れていると思います。

菅井 歯周病罹患患者の方にとってインプラント治療は機能の回復という観点から、今では欠かすことの出来ない治療のオプションの一つと考えています。その一方で、私のところは歯周病の患者さんが多いからなおさらそう思うのかも知れませんが、自分の歯の保存に強い意志を持っている方も多いのです。「自分の歯で食べる」ことはその人のアイデンティティーを保つためにすごく大切なことです。

しかしながら、明らかに予後がホープレスと言わざるを得ない歯に対しての保存的処置や無処置は論外と思います。これはインプラント治療のために「戦略的抜歯」の名のもとに安易な抜歯を行い、インプラント治療を行うことと同様に大きな誤りであり罪だと思います。インプラント治療は有益な治療手段の一つではありますが、目的ではないのです。「これ以上歯を無くしたくない」「自分の歯でしっかり食べたい」「歯が無くなったところの機能回復は、歯が無くなったところだけで済ませて欲しい。そのために健全な他の歯に不可逆的なダメージを与えないで欲しい」--患者さんの望みはこれにつきると思います。これらの要件を解決できそうな治療法は何かを考えると歯科治療の中でのインプラントの位置づけはかなり高いところにあると理解しています。

福岡 歯科医師にとって骨にドリルで穴を開けるというのは得意な分野ですから、インプラントの手術に関してはあまり問題はないでしょう。ただ、先生方も指摘されましたように、インプラント治療は複合的なものです。ちょうど自動車を造るのに様々な分野の知恵や技術を組み合わせる必要があるのと同じで、インプラント治療には生物学的な知識、解剖学的な知識など、多くの事柄に精通していることが求められます。ひとつだけ付け加えさせていただくと、今後は、技術だけでなく、学術的な基礎の充実が重要になるだろうと考えています。とかく日本では、これはこれ、あれはあれと、個別のケースに対する手法の習得には熱心な反面、「なぜ、そうなのか?」という問いに自ら答えられるだけの基礎的な素養を身に着ける機会が、教育現場にも抜けているように感じられます。基礎的な素養があれば、例えば、「誰々先生がこういうやり方で成功した」という症例に出会ったとき、どういうケースでそれは上手くいき、どういうケースで上手くいかないのかを、自ら判断できるようになるでしょう。

ニューヨーク大学の講義を実際に受けてみて

田中  インプラント治療の今後を考える上で示唆に富んだ意見をいただきました。私自身聞いていて、ハッとさせられる場面もありました。さて、ここで、少し話題を変えまして、ニューヨーク大学のプログラムを受講した理由、またその結果どうだったかについて伺います。私自身はと言いますと、プログラムを終えて、いかに自分が井の中の蛙だったかを痛感したというのが正直なところです。

川口  ニューヨーク大学は教科書がなく、文献のみを参考にしたエビデンスに基づく歯科治療(Evidencebased Dentistly)の決定版。世界中から優秀な先生が講師としてお越しになり、生徒は卒論を書いて卒業生となる、というところにも惹かれました。指導者が自ら徹底した研究の下に歯科を実践しておられる現実には、驚愕と尊敬と畏怖の念を抱きました。若くはない受講者を、当たり前のごとく、むしろ大切に迎え入れてくださる体質は素晴らしいと感激しております。

鈴木  ニューヨーク大学には、インプラント治療に関心を持つ歯科医師なら誰もが知っている、ワイスゴールド先生という審美的な治療で有名な先生がいます。先生をこの目で見て来るというのが、私の最初の動機でした。実際に受講してみると、他にも有名な先生方がいらっしゃいました。なかでも、1950年代に「チタンブレード」を用い、インプラント治療の普及に多大な貢献をされた、リンコー先生との昼食は良い思い出です。先生の残したハンバーガーを「いただいてもよろしいですか?」と言って譲り受けたのが私の自慢なんですよ(笑)

川口  リンコー先生とブローネマルク先生のどちらが先にインプラント治療をしたかを話題にしていると、休み時間にディレクターのケイト松本さんがご本人に電話し、隣にいた私に受話器を渡されました。リンコー先生がインプラント治療を始めたのは1942年、ブローネマルク先生が初めて臨床応用したのが1965年であると、ご本人自ら講義してくださったのには驚きましたね。

菅井  私がニューヨーク大学を選んだのは、田中先生と同じく井の中から脱出するためでした。インプラントはどんどん進化を続けているのに止まっていて良い訳がありません。自分に対する猜疑心を払拭するためでもあったと思います。その結果、今でもよく覚えているのは、午前中に行われたターナー先生による初講義で、先生から「ぺリオ(歯周病)が分からない者はインプラントに携わるべきではない」との言葉があり、「やはりペリオが原点だ」と思いを新たにし、私自身ペリオが専門ですから、感動したことを覚えています。

福岡  ターナー先生の講義は生物学的な研究のエビデンスに基づいたものになっており大変魅力的でした。私はターナー先生から直接学びたくてニューヨーク大学のプログラムを受講しました。他にも世界中の様々な分野のトップの先生方が講義をされるのも興味深い点です。私はその後約8年間プログラムリーダーとして後輩の育成を行いながらニューヨーク大学で学んでいます。また、ターナー先生の教えの中にKISS Principle(Keep It Simply Stupid!の略)というのがあり、治療のクオリティを落とさなければ治療はできるだけシンプルで安全な手法を行うという意味です。私たち歯科医師は研鑽を積み重ね、治療の本質を見失い技法のみに走ることなく、生物学的な根拠に基づいた治療をする必要があるでしょう。昨年から私たちは世界ではじめてターナー先生から集中的に学べるコースを日本でスタートしました。今年も2回目のコースを行いましたが大変興味深いものでした。

山口  私は20年以上前からインプラント治療を行っていて、20年以上前に手術した患者さんのインプラントが今でも機能しています。「正しいことをしているのは間違いない」と確信する一方で、他の先生方のやり方と比較してみたいという気持ちもありました。これが受講の一番の動機です。その結果、林先生のような著名な歯科医師と出会うことができたのは幸いでした。

設備投資を行いより正確な診断を

田中  1期生、2期生の先生方にお尋ねします。何に力を入れていますか?

鈴木  私は「良い行い」をモットーにやっています。設備面ではC T、C A D・C A M、マイクロスコープ、骨とインプラントの接触率を向上させる機器等を導入しております。必要に応じて入院していただける体制も整えてあります。力を入れていることはリスクマネージメントです。リスクをどうやって回避するかは最も重要な問題でしょう。

菅井  少しでも長く患者さんの口の中でインプラントを機能させ、QOLの向上に貢献できるかを重視します。それにはICレシオの問題、本数や埋入位置の問題、咬合の問題、そしてインプラントに最終補綴処置でどのような咬合を付与し機能させていくのかの問題を適切に解決する必要があります。満足いく結果を出すには、当たり前のことかも知れませんが、一番力を入れるべきは正確な診査・診断、これに尽きると考えています。

山口  手術の成功率を支えているものは何かと考えてみると、まず、確実なポジションにオペができること、麻酔科医・歯科技工士との連携が取れていること、メンテナンスを徹底していることが挙げられます。私は口腔外科がバックボーンですから、骨折や腫瘍を扱う難しい手術に携わってきた経験が活きていると感じます。人間を相手にすることですから、難症例に遭遇することもあります。そういうとき口腔外科的な手技を用いて治療をできるのが強みです。現在、インプラント治療の50〜60%は麻酔科医との連携で行っています。

川口  最小の侵襲で予知性の高いインプラント治療をするために多くのエビデンスから学びたいと思います。また、口腔解剖をさらに学び、脈管系、そして、軟組織硬組織の治癒病理についても詳しく知りたいと考えております。

福岡  中国で治療する機会が増えているんですが、そこで痛感したのは、日本での歯科治療の経験が長いために、つい保険診療に沿った治療を(中国にはそれが無いにも関わらず)行いそうになるということです。3年が経ち、ようやくその呪縛から抜けられたように思います。改めて、予算から導きだされた治療ではなく、患者さんのための治療を採用していきたいという気持ちを強めました。私が力を入れていることは、患者さんに対する説明です。エビデンスがありますから、治療の結果については予想ができます。そこをできるだけ患者さんに分かり易く説明し、ご納得いただいてから治療を進めることを大切にしています。

世代間の交流を通じて意識が変わった

田中  続いて、4期生、5期生の先生方にもお話を伺って参りましょう。

小林  私は現在46歳になりますが、実は、海外に出て勉強をしたのは42歳の時が初めてでした。ニューヨーク大学のプログラムを受講したのは、「アメリカの歯科治療というのはどうなんだ?」と思ったのがきっかけです。私が実際に行ってみて本当に良かったと思うのは、最新ではないかも知れないけれど、コンサバティブな立場をしっかりと勉強できたことです。今日の文献の基礎となっている、ミラー先生の講義を2日間受けることができました。最新の治療法はもちろん大事ですが、個人的には、様々な研究の起源に直接触れることができるところに、海外での勉強の意義があるように思います。

西川  歯科医療の歴史上の偉大な先生方が築いてきた流れを感じることができたのが良かった。あとは、縦、横のつながりができたこと。私たち5期生は、最初はバラバラでしたけど、卒業する頃には皆仲良くなりました。60歳過ぎて、腹を割って話せる友人はなかなかできないものですが、場所を海外に移して、同じ目的を持って取り組んでいると、世代を超えた友人ができる。これまでは、自分のことだけで精一杯でした。もちろん、まだまだ勉強は足りませんが、そろそろ、自分たちの世代がやってきたことを後輩に伝えていかなくてはならないと感じるようにもなりましたね。

田中  若い世代の先生方にひとことお願いします。

西川  そうですね。歯科医療を1つの桶に例えるなら、インプラントやペリオ、外科などは、桶を構成する立て板に相当します。若い先生方に言いたいのは、いくらインプラント治療が得意でも、桶に水を入れたときには、一番短い立て板のところで水が漏れる。つまり、苦手なもののレベルで評価されてしまうということです。すべての分野で、自分ひとりでできる部分を広げていくことが大切です。インプラント治療そのものは欠損補綴なんですよ。だとしたら、その歯がどうして抜けてしまったのか、原因を残したままでは、またダメになりはしないだろうか? こうした問いから、原因論に入っていきます。知識の底上げを図り、あくまでもオプションとしてインプラント治療を取り入れてほしいですね。

田中  続きまして、インプラント治療に携わる我々がすべきことについて、お考えをお聞かせください

小林  インプラント治療のレベルが上がり、多くの患者さんの選択肢になってきました。このこと自体は喜ばしいことですが、上手くいく事例もあれば、不幸にも事故が生じることだってありえます。安全性を考えるなら、例えば、「誰かがこんな治療をやって成功しました」といったものを安易に取り入れるのは問題です。やはり、文献などに裏打ちされた、エビデンスのあるところで治療するのが我々臨床医の仕事だと思います。先ほどの話にもつながりますが、アメリカはこういうところが本当に進んでいて、エビデンスの基になっている先生の話を直接聞くことができるというのはやはり大きいですね。

遠藤  患者さんがネットを通じて多くの情報を得ていますよね。当然、高額なところもあれば、安価なところもある。患者さんの選択肢は増えているわけですが、歯1本にどれだけの価値があるかは人それぞれです。昔、銀座のママがサロンで髪をほんの何センチ余分に切られたという理由で訴訟を起こしたという話を聞きました。職業上、髪が大切な人にとって、髪にお金をかけるのは当然のこと。歯についても同じことが言えるでしょう。治療内容はもちろんですが、コスト面でも患者さんと話し合って、インフォームド・コンセントを大切にすべきだと考えています。

佐藤  本当にその通りだと思います。私も実際に治療に当たっていて、最近、患者さんの意識が変化してきているのを感じます。こちらから何かを提案したときでも、「どういう手術ですか?」「それは、安全ですか?」と確認されます。ネットを通じて情報を得ている患者さんが増えています。これまで以上に正しい情報の提供を心がけています。

栗林  実際、説明のないまま治療が進むので、患者さんが全体像を把握できていないケースもまだまだ多いと思います。患者さんとしっかり話す時間を、システム化によって作り出す必要があります。こうした考えに至ったのは、実はニューヨーク大学CDEプログラムがきっかけです。最年少だった私は小林先生や遠藤先生など同期の先生方に良くしていただきました。最初はお金に余裕があり、診療を休診できる先生がプログラムに参加しているのかと思っていましたが、違いましたね。先生方は、自分がいなくても大丈夫な環境を整備していたのです。私は開業してから、社員を連れていくつもの歯科医院を見学させていただいています。プログラムでの出会いが、私の人生を変えました。

【医院紹介】特別な技術を要し、また費用もかか るインプラント治療を、患者様が納得して受けて いただけるように、毎月第1・第3土曜日に無料 相談会を行っています。身体的な侵襲が少なく、 経済的な負担も少ない治療法を提案させていた だきます。
【医院紹介】天然歯に勝る歯は無いとの考えの 下、インプラント治療をご自分の歯を守るための 有用な治療オプションの一つと位置づけていま す。インフォームド・コンセントをもとに、あらゆる可 能性を検討して選択肢を提示することを心がけ ています。
【医院紹介】これからの歯科治療は歯や歯周組 織などの口腔エリアだけでなく、高齢化社会の中 で全身疾患を持つ患者様への対応が求められま す。当院では麻酔科医、歯科技工士との連携を 重視したチーム医療で患者様第一の治療を提供 いたします。
【医院紹介】通常のむし歯治療のほかにもインプ ラント治療をはじめ、ニューロマスキュラーコンセプ トに基づく咬合治療、セレック修復を用いた審美 的治療など幅広い医療サービスを提供していま す。患者様が健康で快適な人生を過ごせるように QOLを向上させる歯科医療を目指しております。
【医院紹介】1916年に開設し、まもなく100年目を 迎える歯科医院。インプラント治療や矯正治療な ど、各分野で豊富な経験を積んだスタッフによる チームアプローチで治療に取り組んでいます。患者 様との勉強会であるデンタルサークルを月1回開 催するなど、地域社会へも大きく貢献しています。
【医院紹介】総入れ歯の患者様や多くの歯を 失った患者様でも、その日に歯が入るALL-on-4・ 6の治療を、手術や費用の負担を抑えた先端の 治療法で実施しています。「眠っている間にイン プラント」も行っております。まずは無料相談にお こし下さい。
【医院紹介】根本的な原因を取り除きながら専門 性の高い治療を同時に行うオーラル・リハビリ テーションを提案します。“Make Up Your Smile” の診療理念をもとに、健康と笑顔を維持するため のトータルヘルスケアを目指します。
【医院紹介】インプラント治療はもちろん、子供の 矯正治療から有病者の患者さんまで幅広いニー ズに対応しています。完全個室の診療室、キッズ ルームを備えた診療室など、患者さんのニーズに きめ細かく対応。訪問診療も行えるようにしてい ます。
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