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増え続けている乳がん。女性では年間3万5000人がかかっているといわれ、厚生労働省の「平成15年人口動態統計」によれば、2003年における乳がんの女性死亡数は9885人。1980年の死亡数4141人と比べて2倍以上になっている。この増加の背景には、脂肪分の多い食事の摂取など食生活の欧米化、初産年齢の高齢化、少子化などがある。しかし、罹患者が増え続ける中、乳がんの治療は飛躍的な進歩を遂げている。
「私が医師として取り組んできた30年間、それは乳がん治療に大きな変化が起こった時期だったといえます」
こう話すのは、川崎医科大学乳腺甲状腺外科の園尾博司教授。30年間にわたって乳がん診療を行い、関わった患者数は延べ3千人にも上る。
「当初、乳がん治療は手術、もしくは副作用の強い薬を使った治療しかありませんでした。日本では20年前に新しいホルモン薬が取り入れられ、術後の再発予防が可能になりました。乳がんの7割は、女性ホルモンに反応する性質を持っているため、ホルモンを上手くコントロールすると、がんが小さくなったり再発しなくなったりします。また、手術においても、現在、患者さんの約半数は乳房を残しています」 |