中枢型SASは、呼吸中枢からの命令が一時的に途絶えることから発症するとされている。中枢神経が侵されているケースが多く、患者の自覚症状は極めて乏しい。つまり、実際の患者数がつかめないのが現状だ。「高齢化の進行などで、中枢型のSAS患者は、閉塞型の患者と比べ、非常に多いというデータ(表2)もあります」と小林教授。
病的なレベルにまで進行した「ブラキシズム」では必ず睡眠時無呼吸を随伴するが、そのほとんどが中枢型である。ブラキシズムは、睡眠中の歯ぎしりや雑音を発生させない強いかみしめを中心とする咀嚼系の運動障害と定義されている(米国睡眠障害学会)。小林教授たちの研究によると、このブラキシズムと関連する睡眠時無呼吸の70%が中枢型(神経断裂性)であることが確認されている。特に顎(がく)関節症患者では、慢性期間が長くなるにしたがって歯ぎしり量が多くなり、同時に睡眠時無呼吸の発現頻度も高いという。この約15%は明らかにSASを起こしているという。つまり、中枢型SASでは病的なレベルにまで進行したブラキシズムを改善することが治療への早道かもしれない。 |