―本当ですか。驚きました。認知度はまだまだ低いのですね。
山口 そうですね。今後の啓発活動が大きな課題です。
―脳梗塞は突然起こるといわれますが、前触れはないのでしょうか。
山口 すべての方にみられるわけではありませんが、麻痺(まひ)やしびれ、言語障害など、脳梗塞と同じような症状が一時的に起こることがあります。24時間以内に症状が治まるものを一過性虚血発作と呼んでいますが、発作後一カ月以内に脳梗塞を発症する患者さんも多いので、異常を感じたら決して放置しないでください。最も重要なのは脳梗塞にならないよう日頃から気を付けることですが、発症してしまったら必ず脳卒中に詳しい専門医やスタッフのいる専門病院で受診しましょう。発症から2時間以内に病院に到着できれば理想的です。
―急性期の主な治療法として、血栓溶解療法が用いられていますが。
山口 静脈に血栓溶解剤を投与する静注法が一般的です。対して動脈に薬剤を投与する局所線溶療法は、細い血管にカテーテルを通して行うため、医師の技量が必要になります。ですが治療効果は高いといわれており、現在確かなエビデンス(医学的根拠)を確立するため、小川彰教授率いるMELTJapan研究班が臨床試験を行っています。また、新しい血栓溶解剤t-PAの承認も間もなく実現すると思われます。脳梗塞治療が大きな進化を遂げようとしている今、病院・患者・自治体が一体となって、十分な体制づくりを進めていかなくてはなりません。 |