―具体的な研究の内容をお聞かせください。
小川 脳梗塞急性期患者さんの対応に十分な体制をとることができると判断された100の医療機関を抽出し、その医療機関に搬送された患者さんを対象に、MELT
Japan本部が定めたプロトコール(計画)に従って治療を進めていくものです。搬送から6時間の間に患者さんのご家族に連絡し、十分な説明を行いご家族の同意をいただいた上で、局所線溶療法を行う患者さんとそれ以外の治療法を行う患者さんとに分けていきます。そして術後経過を見ながら、双方の治療の効果を比較するのです。
―6時間以内という限られた時間の中で、そんなに多くのことを行うのはとても大変だと思うのですが…。
小川 そうなんです。いつ運ばれてくるか分からない患者さんを救うため、対象医療機関のスタッフは24時間体制でスタンバイしています。
―時間と戦いながら、真摯(しんし)に研究が行われているのですね。
小川 その通りです。より正確な結果を得るために日夜取り組んでいますので、プロトコール違反は厳しく対処しています。決められた方法以外の方法で出された結果は意味がありませんからね。
―とても大変な研究だと改めて感じます。
小川 患者さんに少しでも有効な治療を提供するためです。
―そんな有効な治療法の一つとして、血栓溶解剤t-PA(組織プラスミノーゲンアクチベータ)の承認も期待
されているところですが。
小川 ええ。t-PAは今年中には承認が得られるのではないかと思います。発症後3時間内の投与でその有効性が認められている反面、出血性合併症のリスクもありますので、使用法のガイドライン作成や市民の皆さんへの啓発活動など、承認後の受け入れ準備を今のうちにしておく必要があると思います。承認されたらt-PAを用いた治療についての臨床試験も始めたいと思っています。
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