専門医ナビ

医療コラム 2007年5月1日 更新

“最先端の医療”に迫る サイバーナイフ 患部を追跡して狙い撃つ低侵襲治療

近年、コンピュータなど技術の進化とともに放射線治療装置も急速に進歩している。サイバーナイフ、ガンマナイフやリニアックナイフと呼ばれる定位照射も新しい治療方法の一つである。中でもサイバーナイフは、患部を追跡して狙い撃つ最先端の定位放射線治療法で、治療ロボットとも称されている。現在、全国で14台が設置されており、患者にやさしい治療法として注目されている。
特別寄稿 井上 武宏
大阪大学附属病院放射線治療科長
大阪大学大学院教授


井上 武宏(いのうえ たけひろ)
小さい患部に集中投与 放射線治療の新しい手法

通常の放射線治療は少量の放射線を月曜日から金曜日まで毎日、6〜7週間にわたって照射を行う場合が多い。一方、がんの脳転移では患者さんの全身状態が悪い場合も多く、生存期間を考慮して2週間くらいの短期間で治療される場合が多い。

いずれにしても、1回の治療ではなく何回かに分けた治療が行われる。これは放射線による正常組織への影響が次の治療までに回復することを期待し、回数を増やすことで正常組織の障害をできるだけ抑えて、がんや病巣に十分な線量を投与することを目指している。

定位照射は、前述の通常の照射とは全く異なった治療方法で、原則的に1回で大線量を病巣部に投与することで最大の効果を得る治療方法である。周辺部にも多少の放射線は照射されるが、その範囲が小さいために重篤な障害を起こさない。

このためには病巣部が小さいことが必須である。また、病巣部に正確な照射を行う必要がある。日本の保険制度では、脳の場合、2mm以内の精度が要求されている。この精度を保つために、ガンマナイフやリニアックナイフではフレームと呼ばれる金属の環を頭蓋骨にネジで固定する必要がある。治療をするときには、このフレームをガンマナイフの装置やリニアックのベッドに固定をして照射を行う。

PAGE 1/  次のページへ→
→医療コラム バックナンバーへ



→利用規約 |  →お問い合わせ →トップページへ戻る
株式会社医療新聞社
株式会社ナショナルビジネスブレイン
Copyright (C) Medical Media Corporation. All Rights Reserved.